日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2024年1月27日就職面接の準備で留意すべきこととは?

★就職面接では話し方が大事


私はアタックス・グループの総務・法務・人事・経理・インフラ整備など、会社の内部全般の責任者を長年務めました。

人事も担当していましたので、中途採用面接ものべ400回以上行いました。

その経験から、面接での受け答えで落ち着いて自己アピールできるポイントが幾つかあると思っています。

今回はその中から2つのポイントをご紹介します。



2つのポイントを解説するために、私が以前面接をしてとても残念に思ったやり取りがあるのでご紹介します。

人財採用に応募してきた人をYさんとしましょう。

私:いただいた資料を見るとYさんは工夫しながら仕事をするのが好きなんですね
Y:はい。学生時代にアルバイトしている時から『これってもう少し簡単にできないかな』などと考えるのが好きでした
私:そうですか。実際に工夫した例はありますか?
Y:はい。バイト先で毎日店長が現金の残高を確認する時、お札や硬貨の数を数えて電卓で計算していたので、それをExcelで簡単にできるようにしました
私:なるほど。他にはありますか?
Y:ええ。私は常に工夫することを意識してきたので色々ありますが、一番記憶に残っているのは先ほど申し上げたExcelにした話です

 

Yさんはしっかりとした口調で笑顔を浮かべながら話してくれたので、とても好感が持てる人柄だな、と思いました。

しかし、私にはYさんの話はとても物足りなく思ったのです。

この点を面接で話すようにしてもらえれば、より説得力のある話をしてもらえると思ってこの経験をご紹介しました。

私がYさんの話を聞いて物足りなく思った点=面接では重要なことと感じた点は次の2つです。


★話に深みを持たせる


1つ目は、工夫した例の話がとてもあっさりしていて深みに欠けていたことです。

一般的に面接官が面接で確認したいのは、応募者の人柄や価値観、志向、思考力などです。

それらをできるだけ的確に知るために様々な質問をしています。

従って、何をしたかという事実だけを知りたいわけではありません。

Yさんが言った現金の残高計算をExcelにしたことについて言えば、次のようなことを知りたいのです。

  • なぜそうしようと思ったのか

  • その工夫をする上で気をつけた点はどういうことか

  • 工夫した結果店長の反応はどうだったのか

  • その反応を見てYさんはどう思ったのか


こうしたことをこのエピソードの中で話してもらって初めてYさんの人となりや思考力などを伺い知ることができます。

あなたが面接の準備をする際は、ぜひ具体的な経験を掘り下げてお話しできるようにしておいてください。

 

★話に広がりを持たせる


Yさんの話の残念な点の2つ目は、他のエピソードが聞けず、話に広がりがなかったことです。

Yさんは他に工夫をしたエピソードはないかと聞かれて、他にはないと答えました。

そうすると、本当にこの人は工夫をする力がある人なのかな、という疑問を持たざるを得ないのです。

本当に常に工夫をしているのなら、それに関するエピソードが3つ以上あってもいいはずです。

それが言えないということは「本当はそれほど工夫をしている訳ではないな」と判断せざるを得ないのです。

エピソードを幾つか話してくれると、私の頭の中にそれらの具体的な事実からYさんの思考力や価値観などがハッキリとつかめてきます。

そして、Yさんのことをよりはっきりと理解できるようになります。

実際の面接では「他にありませんか?」と質問しても、答えが返ってこないことがよくあります。

従って、あなたが面接の準備をする際は、強みや人柄を説明するエピソードを幾つか用意されることを強くお勧めします。


★自分の過去の経験を集める


Yさんの例で示したように、採用面接で自分自身をきちんと理解してもらうには、まず過去のエピソード=事実をしっかりと集めることが大前提になります。

人の役に立ちたい、チャレンジすることにワクワクする、など言葉で色々とアピールをしても、それを裏付けるエピソード=事実がないと相手は本当にそうなのか判断が出来ません。

しかし、過去のエピソードは思い出そうとしても、なかなか思い出せないものです。

常に意識して時間をかけてじっくりと思い出してください。

そしてその時の気持ちや考えをしっかりと言葉にしてください。

そうすれば格段に説得力のある話ができるようになります。

 

★話し方のコツを修得しましょう!


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、上に述べたように具体的なエピソードをもとにしたスピーチをすることで話し方のトレーニングを行っています。

話に具体的な体験談を入れることで、ストーリー性のある話にすることができます。

聞いている人にも聞き応えのある話になります。

なので私たちは、受講生に体験談のネタをたくさん集めるようお願いしています。

そして、そのネタにおける当時の気持ち、今振り返って考えていることを入れて話してくださいと伝えています。

面接やスピーチは、あなたが何を感じ、何を考えたのかを話すことがとても大事です。

これらがない話は単なる報告に過ぎません。

話し方を上達させたいと思われている方はぜひご受講ください!
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